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建設DXが注目される建設業の課題とメリットを解説

建設DXが注目される建設業の課題とメリットを解説
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建設業で労働時間の削減に向けた動きが活発化する中、建設DXが注目を集めています。
経済産業省が2018年から推奨している日本のDXですが、もともとアナログな業務が色濃く残る建設業界にとって、デジタル化を飛び越えてDXに取り組むことは、ハードルが高いといえるでしょう。
ただ、DXに取り組めば、人手不足の解消や生産性向上の実現にもつながります。

今回は、建設DXの概要をご紹介し、建設DXが注目される理由やメリットについて詳しく解説します。

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建設DXとは

そもそも建設DXとは、ICTやIoT、AI、クラウドなどのデジタル技術を活用することで、建設産業全体のプロセスを最適化させる取り組みのことです。例えば、クラウドによる環境整備を進めることで、施工に必要な工程表や図面、日報などをリアルタイムで一元的に管理できるようになります。

また、AIを活用すれば、建機の自立走行や作業の安全性の確保などに役立てられます。具体的には、デジタル技術を設計・施工などの各工程に活用することで、建設業務における効率化や、人材不足の解消が見込めるでしょう。

DXの概要

DX(デジタルトランスフォーメーション)には、デジタル技術を取り込むことで、従来のシステムや企業風土を変革させるという意味があります。もともとはビジネス領域に限った概念ではなく、社会生活全体に関わる概念でした。

国内では、経済産業省が「DX推進指標」や「デジタルガバナンス・コード2.0」などを取りまとめており、企業経営に浸透させることが課題となっています。

建設DXが求められる背景

建設DXが求められる背景はいくつかありますが、次の2点が取り組むべき大きな理由といえます。

コロナ禍によるマイナスを解消するため

コロナウイルスの感染拡大により、建設業界は受注数の減少や工事の中止など、大きなマイナスの影響を受けています。特に、飲食店や宿泊業などのサービス業への影響が深刻であり、中小規模の建設現場における工事の中止が相次いでいます。

こうしたマイナスの影響を解消するために、最新のデジタルテクノロジーの力で新たな建設方法や建材の開発をし、生産性向上・業務効率化などによって既存のプロダクトや業務を変革する必要があるのです。

また、コロナ禍で非接触・非対面による業務遂行が求められた結果、裏方の事務業務はオンライン化されました。今後、再び起こる可能性のあるパンデミックに備えて、テレワークや、オンラインによるスムーズな業務遂行を可能にする体制を整えておく必要があるでしょう。

2025年の崖を回避するため

2025年の崖とは、経済産業省が2018年9月に発表した「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」の中で指摘した問題です。

レガシーシステムの刷新が進まず、DXを実現できないことや、2025年付近に集まった、SAP ERPの保守サポート終了、固定電話網PSTNの終了などのさまざまな問題が重なった結果、2025年以降、最大で年間12兆円もの経済損失が生じる可能性のことです。

日本全体の経済損失と聞くと、どこか遠いイメージがあるかもしれませんが、それだけの経済損失は日本全体の経済を悪化させるでしょう。このしわ寄せが個々の建設企業にも及ぶ恐れは十分にあります。

建設DXが注目される建設業の課題

上記の背景を、建設業が抱える課題という観点で捉え直してみると、次の3点の課題解決のためにDXに取り組む必要があるといえます。

・人材不足
・「働き方改革関連法」に対応した労働時間の削減
・生産性の向上や業務効率化

特に深刻なのは、人材不足です。国土交通省が2021年(令和3年)10月に公表した「最近の建設業を巡る状況について【報告】」によると、1997年に685万人であった建設業就業者が、2020年には193万人減の492万人という結果でした。

さらに、2020年の29歳以下の就業者が、全産業の割合は16.6%であるのに対し、建設業の割合は4.8ポイント減の11.8%という結果で、若手人材が少ないことがわかります。

また、同調査によると、2020年における年間の実労働時間は、調査産業の平均が1,621時間であるのに対し、建設業は364時間増の1,985時間です。しかし、2024年4月からは「働き方改革関連法」が建設業にも適用され、時間外労働時間に上限が設けられるため、労働時間の削減に向けた建設DXの推進は不可欠といえるでしょう。

建設DXのメリット

建設DXにより、以下のようなメリットが期待できます。

・業務を効率化できる
・省人化できる
・技術を継承しやくなる

まず、業務の効率化には、クラウド環境の活用によって設計や施工の工程を一元管理できることが該当します。加えて、ICTを導入することで各セクションの情報共有がスムーズに行えるようになり、生産効率の向上も期待できます。

また、省人化できることも建設DXのメリットです。例えば、建機を遠隔操作することで、破砕や運搬などの作業を安全かつ効率的に実行できます。場合によっては、1人のオペレーターで複数の建機を操作できるため、省人化も実現可能です。

さらに、熟練作業者の技術を継承しやすくなる点もポイントです。例えば、AIによる映像解析を活用することで熟練作業者の操作をフォーマットとして設定できるようになるため、就業者のレベルを問わず作業を標準化できます。

このように、建設業が建設DXに取り組むことには多くのメリットがあるのです。

建設DXで用いられる技術

建設DXではさまざまな技術が用いられます。ここでは建設DXで用いられる技術として以下を解説します。

・BIM/CIM
・SaaS(クラウドサービス)
・ICT(情報通信技術)
・AI

BIM/CIM

BIM/CIMとは、Building Information Modeling、Construction Information Modelingの略です。いずれも、建物を立体的な図面で表示するデジタル技術を指します。デジタル技術によって建築前から建物の立体イメージが確認できるため、課題や問題点などが把握しやすくなります。

SaaS(クラウドサービス)

SaaSはSoftware as a Serviceの略で、クラウド上でソフトウェアやアプリケーションが提供されるサービスを指します。SaaSはインターネット環境、ツールのアカウントを持っているユーザーであれば、誰でもどこからでも利用できるというメリットがあります。

ICT(情報通信技術)

ICTはInformation and Communication Technologyの略で、デジタル技術によってコミュニケーションや情報共有を行うことを意味します。ICTの具体例として、現場の重機を遠隔で操作できる、ドローンによる3次元の測量などが挙げられます。

AI

AIはArtificial Intelligenceの略で人工知能の名でも広く知られています。建設業においてAIは、データの集計や分析に基づいたシミュレーション、映像を分析することによる技術継承といったことに役立てられています。

建設DXを進める際の注意点とポイント

建設DXを進めるうえでは、次の注意点・ポイントを押さえておきましょう。

・現状の課題を明確にする
・現場とのギャップを解消する
・自社に最適な方法を選択する

現状の課題を明確にする

建設DXを進めるには、現状の課題を明確にしましょう。DXを進める目的がはっきりしていない状態だと、不必要な作業が発生してしまい、従業員のDXに対しての意識が削がれてしまうかもしれません。

現場とのギャップに注意する

建設DXを進めようとしても、現場との意識が乖離してしまっていては、DXは形骸化してしまいます。DXで現場の従業員が働きやすい環境を作り出すために、現場の意見をしっかりと反映させるようにしましょう。また、現場にDXで得られるメリットを伝えておくことで、従業員もDXに積極的に取り組んでくれることが期待できます。

自社に最適な方法を選択する

先述のとおり、建設DXで用いられる技術はさまざまあります。数多くの技術の中から、自社に応じた技術を選ぶようにしましょう。そのため、自社が抱える課題、現場の意見をしっかりと把握して、それに見合った技術を選ぶことが大切です。

建設DXの取組事例

すでに建設DXに取り組み、成果を出している企業が多数あります。
ここでは、当社の建設業向けERP「ガリバーシリーズ」を導入いただいたお客様の成功事例から3ケースをピックアップしてご紹介いたします。

システム再構築により大幅なコストダウンに成功!(株式会社松村組)

1894年に創業し、130年近い歴史を持つ株式会社松村組は、土木工事業や建築工事業、大工工事業などを手がける建築業を営んでいます。

同社では、1985年から自社開発の旧基幹システムを使用していましたが、ハードウェア運用費用が高額になったため、市販ソフトを搭載したWindowsサーバーによる全面的なシステム再構築を実施することにしました。

そこで、建設業向けERP「ガリバーシリーズ」から、対象従業員数100~300名までが想定された「ガリバー・プロステージ」を導入。
選定時、ポイントになったのは、建設業に特化していること、社内のサーバー室を使用する前提だったため大規模なハードウェアが必要にならないこと、標準機能以外のカスタマイズが容易であることなどでした。

導入の結果、データセンターやネットワークなどを含めたシステムに発生する年間のランニングコストの削減に成功しました。その割合は70%にも上り、金額にして4,000万円。
また、原価管理と財務会計が統合型でシームレスに連動しており、パッケージ標準機能の業務のカバー範囲が大きく、全業務の約6割をガリバー・プロステージでカバー。
さらに、導入予定のCI-NETとも標準連携できるので、投資を抑えることも期待できるといいます。

事例の詳細は、下記のページをご覧ください。
システム再構築により大幅なコストダウンに成功!

ばらばらの業務システムの統合に成功!(庄司建設工業株式会社)

庄司建設工業株式会社は、大正11年に福島県で創業。建築、土木等建設工事の請負などを中心とする建設業を営んでいます。

同社では、原価管理システムと財務会計システムが別のシステムのため、連携処理が煩雑になっていました。また、システム運用費用の高額化という課題も抱えていました。
さらに、動作保証Windows OSを搭載したパソコンの販売終了日や、データベースのサポート終了日が近づいているといったEOLの問題もありました。

そこで、建設業向けERP「ガリバーシリーズ」から、対象従業員数100~300名までが想定された「ガリバー・プロステージ」を導入。
選定時のポイントは、原価管理システムと財務会計システムが統合型でシームレスに連動していることや最新Windows OSに対応できること、システム1本、サーバー1台に省力化することで、システム運用費用(ランニングコスト)を抑えられる点だったといいます。
さらに、現行システムで未実現だった機能が標準機能に搭載されている点も決め手に。

導入の結果、決算処理にかかる日数のスピード化ができ、システム運用にかかる費用の削減にも成功しました。
さらに、自由集計帳票作成機能により、従来の書式の注文書や請求書を出力したり管理帳票も独自に作成したりすることが可能になり、カスタマイズ費用をかけずにさまざまな独自帳票を作成することができるようになりました。

事例の詳細は、下記のページをご覧ください。
ばらばらの業務システムの統合に成功!

ガリバー導入による、業務の省力化、効率化(株式会社開進堂)

大正6年3月に電気製品卸業として創業。富山県に本社を置く、100年超の歴史を誇る株式会社開進堂では、電源設備や照明設備を中心とする建設業を営んでいます。

同社では、社内の工務部、総務部で別々のソフトを利用していて、データが連携されていなかったり、利用できる帳簿に限りがあることから工務部で手書きをした伝票(発注・請求)を総務部でシステムに入力する二度手間が発生していたりという業務の非効率性を課題視していました。

また、予算管理、原価支払状況を担当者ごとに紙やパソコンで個別管理している点や業務ソフトと給与ソフトが別会社のもので、労務費、代理人給与を原価に組み込むのが難しい点なども課題となっていました。

そこで、建設業向けERP「ガリバーシリーズ」から、対象従業員数100名までが想定された「ガリバーNEXT」を導入。
導入のポイントは、業務フローに合わせたカスタマイズができたり、システム内での上長承認機能があったりする点でした。

導入の結果、伝票作成に関する二度手間を削減し、作成に要する時間短縮に成功しました。
また、原価管理を見える化し、システム内で一元管理できるようになったといいます。
さらに、代理人給与を原価に組み込んだ状態での原価管理も容易になりました。

事例の詳細は、下記のページをご覧ください。
ガリバー導入による、業務の省力化、効率化

まとめ

建設DXが推進されている背景には、労働時間の削減、人材不足の解消などの課題に対応するという目的があります。建設業が取り組めば、業務効率化につながったり、省人化できたりするなど、多くのメリットが期待できるでしょう。

建設工事業向けの統合型基幹業務システム「ガリバーシリーズ」は、給与管理や財務管理をはじめとした基幹業務をリアルタイムで共有できるシステムです。管理・事務処理全般の効率化や、経理と現場におけるシステム統合が可能なため、導入すれば建設DXの実現に向けた大きな一歩となり得ます。建設DXの実現に向けて取り組みたいという方は、ぜひ「ガリバーシリーズ」の導入をご検討ください。


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