建設業界の業務効率化や働き方改革に関する
ノウハウや情報などを紹介するニュースメディア

 
TOP  >  建設会計ラボ  >  働き方改革  > 【2026年最新】建設業の法定福利費は何パーセント?計算方法も解説

公開日

更新日

【2026年最新】建設業の法定福利費は何パーセント?計算方法も解説

【2026年最新】建設業の法定福利費は何パーセント?計算方法も解説
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

法定福利費とは、健康保険や厚生年金保険、雇用保険などについて企業が負担する費用のことです。
見積書を作成する際、「法定福利費は何パーセントで計算すれば良いのか」「どの費用を含めれば良いのか」と迷う担当者もいるのではないでしょうか?

平成25(2013)年の「法定福利費込の見積書」スタート以降、令和7(2025)年12月の改正建設業法・改正入契法の全面施行に伴い、「労務費・材料費・法定福利費などの内訳明示」が法制化され、法定福利費の扱いもさらに重要性を増しています。

そこで、この記事では、建設業の法定福利費は何パーセントなのかを始め、費用の内訳や2026年度の料率、計算方法、見積書を作成する際の注意点をご紹介いたします。

「ERP」って一体何?経理担当者向け「建設業ERPまるわかりBOOK」はこちら!
建設業ERPまるわかりBOOKバナー

建設業の法定福利費は概算16.41パーセント

まずは、そもそも法定福利が何なのかについて解説しましょう。

企業や個人事業主は従業員を雇用すると、社会保険と労働保険の加入が義務づけられます。
前者は健康保険や厚生年金保険、介護保険などが該当します。
一方後者は、雇用保険や労災保険のことです。
これらにかかる保険料は、会社と従業員がそれぞれ一定の割合で負担します。

2026年4月時点の東京都(協会けんぽ)を例にすると、事業主負担率は、健康保険 4.925%、介護保険 0.81%、子ども・子育て拠出金 0.36%、厚生年金保険 9.15%、建設の事業の雇用保険 1.05%、2026年4月新設の子ども・子育て支援金 0.115%です。

これらを合計すると約16.41%となり、40歳以上65歳未満の従業員について介護保険料(0.81%)を見込む場合、「労務費のおおむね16.41%」が一つの目安になります。

ただし、これは全国一律の固定値ではありません。健康保険料率は都道府県によって異なり、介護保険料は40歳以上65歳未満の従業員が対象です。

ちなみに、法律上加入が義務化されていない福利厚生については、「法定外福利厚生」として扱い、費目については「福利厚生費」と呼びます。

建設業界の業務効率化や働き⽅改⾰に関する資料を無料でダウンロードできます

建設業の法定福利費の内訳

社会保険・労働保険への加入が義務づけられている以上、法定福利費はカットできない費用です。では、どのような場合に保険加入義務が生まれるのでしょうか?法人における加入要件について、簡単にまとめます。

健康保険・年金保険

正社員の場合には原則加入義務があります。また、アルバイト・パートであっても、常用的な雇用であれば加入義務が生じます。

雇用保険

一定以上の勤務日数・時間を超えていれば原則加入義務があります。ただし、法人の代表者については加入できません。

労働保険

従業員を雇用した場合、加入が義務づけられます。なお、社会保険と違い、会社側は従業員を包括的に加入させなくてはなりません。

このように、法人が従業員を雇った場合は一部の例外を除いて必ず社会保険・労働保険への加入が義務になります。これは同時に、法定福利費の支払いが生じるということです。

法定福利費に含まれるもの

法定福利費には、以下の費用が含まれます。

健康保険料

健康保険とは、従業員やその家族が加入する保険で、病気やけがをした際にかかった医療費の自己負担が軽減される保険です。
健康保険料の負担は、従業員と企業で半々になります。

厚生年金保険料

厚生年金保険とは、企業に勤める人や公務員が加入する年金です。厚生年金保険に加入している「適用事業所」で常時使用される70歳未満のすべての人が加入することが規定されています。
厚生年金保険料も、保険料の負担は、従業員と企業で半々になります。

介護保険料

介護保険とは、65歳以上の高齢者が、介護が必要と認定された場合、サービスを受ける際に介護費の自己負担が軽減される保険です。
40歳になると、被保険者として介護保険に加入し、介護保険料を支払い始めます。
介護保険料も、保険料の負担は、従業員と企業で半々になります。

子ども・子育て拠出金

子ども・子育て拠出金とは、子育て支援のために徴収される税金で、国や自治体が行う子育て支援事業にあてられます。
子ども・子育て拠出金は、企業が全額、負担します。

以上の4つの費用は「社会保険料」と呼ばれるものです。

雇用保険料

雇用保険とは、従業員が離職や休職した際に給付を受けられる保険です。失業の予防や、雇用状態の是正などにもあてられます。
雇用保険料は従業員と企業で負担しますが、その比率やそもそもの保険料率は、業種によって異なります。

労災保険料

労災保険とは、従業員が業務中や通勤の際に病気やけがをしたり、障害を負ったり、死亡した場合に、従業員やその家族が給付を受けられる保険です。
労災保険の保険料率は業種によって異なりますが、企業が全額負担します。

以上の2つの費用は「労働保険料」と呼ばれるものです。

平成25年から「法定福利費込の見積書の提出」がスタート

建設業界には長きにわたり、社会保険未加入問題がありました。
とくに、末端下請けとなる中小・零細企業では、社会保険・労働保険への加入義務があるにもかかわらず、未加入状態のまま従業員を雇用し、事業を継続しているところも多いと言われています。

この問題を解決するために、国は平成25(2013)年から見積書に法定福利費を内訳明示する取組を推進し、法定福利費が適正に確保・支払われるようにすることで、社会保険未加入対策を強化しました。
さらに、令和7(2025)年12月には、改正建設業法および改正入契法(公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律)が全面施行され、見積書への「労務費・材料費・法定福利費・安全衛生経費・建退共掛金」の5項目の内訳明示が、民間・公共を問わず努力義務化されました(公共工事では義務化)。

国土交通省が発表している「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」には、以下のような指針が示されています。

「平成29年度以降、適切な保険(雇用保険・健康保険・厚生年金保険)に未加入の作業員は、特段の理由がない限りは現場入場を認めないとの取り扱いをすべき」

つまり、現在の建設業界では、加入義務のある保険に入っていない会社は仕事自体ができない、とまで言えてしまいます。見積書に法定福利費を明示するのは、その加入状況を把握するためなのです。

建設・工事ソリューション「ガリバーシリーズ」や当社へのお問い合わせはこちらからお問い合わせいただけます!

法定福利費の計算方法

それでは最後に、法定福利の計算方法について簡単にご紹介していきます。
以下は、東京都で協会けんぽに加入する法人にかかる2026(令和8)年4月時点の法定福利費割合です。

  • 雇用保険料率:1.05%
  • 健康保険料率:4.925% ※
  • 介護保険料率:0.81% ※
  • 厚生年金料率:9.15% ※
  • 子ども子育て拠出金:0.36%

※印については地域によって率が異なります。また、年度でも変更になりますので、必ずご自身の地域における最新の情報を調べてください。

個人事業主の場合は率が異なることも

もし個人事業主で、かつ常時従業員を5人以上雇っていないという場合であれば、社会保険への加入は任意です。一方、雇用保険については「週20時間の労働」と「契約期間31日以上」を満たしていれば、1人の時点から加入が義務づけられます。
これらを踏まえると、5人未満を雇っている個人事業主の場合に必要となる保険料は労働保険(雇用保険料+労災保険料)の、合計1.35%です。

法定福利費の計算方法

法定福利費は、現場作業員の労務費をもとに計算します。
そのため、法定福利費を計算するには、まず労務費を算出する必要があります。

労務費の計算方法

労務費は、法定福利費のほか、完成工事原価を算出する際にも必要になります。
労務費は、当該工事に必要な人数と、平均日額賃金を掛け合わせて求めます。

必要な人工数×平均日額賃金

各法定福利費の計算

算出した労務費をもとに、各法定福利費を計算していきます。

  • 健康保険料
    労務費×健康保険料×1/2(労使折半)
  • 厚生年金保険料
    労務費×厚生年金保険料率×1/2(労使折半)
  • 介護保険料
    労務費×介護保険料率(40歳以上65歳未満の従業員分、労使折半)
  • 子ども・子育て拠出金
    労務費×子ども・子育て拠出金率(全額事業主負担)
  • 雇用保険料
    労務費×雇用保険料×事業主負担割合(業種により異なる)
  • 労災保険料
    労務費×労災保険料率(全額事業主負担)

法定福利費を扱う際の注意点

法定福利費を扱う際は、下請け企業、元請け企業がそれぞれ次の点に注意する必要があります。

下請け企業の注意点

下請け企業は、法定福利費を見積書に記載する際、概算ではなく、上記のような計算方法を用いて正しく詳細な金額を記載するように注意する必要があります。
同時に、従業員の保険未加入があれば放置することなく、法令に沿って対応しましょう。

元請け企業の注意点

元請け企業は、下請け企業から見積書を受け取る際に、法定福利費がきちんと記載されているかどうかを確認する必要があります。
もし、未記載の場合は、依頼している下請け企業が従業員を保険に加入させていない可能性もあります。契約を結ぶ際に、法定福利費の重要性について下請け企業と確認し合うことも大切です。

【経理担当者向け】建設業ERPまるわかりBOOKバナー

まとめ

「法定福利費込の見積書の提出」は、義務に従い社会保険・労働保険へきちんと加入している企業にとって、大きな助けとなりました。また、保険未加入でやり過ごしていた企業にとっては、労働条件改善のよい機会ともなったでしょう。人件費算出には多少手間がかかるものの、法定福利費だけであれば見積もりも手間ではありませんので、元請けから要求された場合も焦らず対応してください。

なお、建設業向けERP「ガリバーXシリーズ」を活用すれば、工事原価管理と会計などの情報を一元管理でき、見積作成の前提となる労務費や原価情報を把握しやすくなります。
法定福利費を含めた適正な工事原価の管理や、見積・請求に関わる業務の効率化にもつなげられるため、Excelや複数システムへの二重入力を減らしたい建設会社にも適しています。

詳しくは、「ガリバーXシリーズ」のページをご覧ください。


【関連記事】
建設業界の社会保険加入へ向けた動き

令和3年3月改訂!公共工事設計労務単価の改訂内容についてわかりやすく解説

 
勤CON管

無料資料ダウンロードはこちら

建設業界の業務効率化や働き⽅改⾰に関する資料を無料でダウンロードできます 

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
建設業界の最新情報を今すぐチェック! セミナー情報はこちら
ガリバーXシリーズ
勤CON管

おすすめ記事

気になるキーワード

お問い合わせ
あさかわシステムズ
Facebook

CONTACT

 

建設業界に関する情報が満載

建設業界の業務効率化や働き方改革に関するノウハウや情報などを自動受信。

メルマガ登録フォーム

ご質問やお問い合わせはこちら

建設業界の業務効率化でお悩みの方はお気軽にご連絡ください。

お問い合わせ

お電話からのお問い合わせはこちら

東京
03-6812-8051
大阪
072-464-7831
福岡
092-433-3781

受付時間 8:30~17:30
(土・日・祝日を除く)