利益アップに直結!工事原価をカットするために出来る工夫

建設会社の利益は工事代金と工事原価の差額です。多くの建設会社が工事代金の低下による利益の圧迫に困窮している現状です。こちらでは、利益をアップさせる鍵となる、工事原価カットの工夫と注意点をご紹介します。
1.工事原価のカットの工夫:中間業者を介さず仕入れを行い「材料費」をカットする
工事に使用する材料の費用は工事原価のひとつの要素です。材料費を軽減することで、工事原価のカットを狙います。もちろん、材料の質を下げればそのぶん材料費は下げられますが、粗悪な部品を工事に使用して評価を下げるのは本末転倒です。
建設部材の価格は、材料そのものの値段と流通コストで構成されています。実際には、表示価格の大部分は流通コストです。流通経路に中間業者が介在することで、柔軟な支払い方法や自由なロットでの注文、スケジュールに合わせた発注といったサービスが実現されています。
反対に言えば、こうしたサービスを妥協し、中間業者を介さずに仕入れを行えば材料費を大きくカットできます。もちろん、使用する材料のクオリティが下がっているわけではありません。多くの建設会社がこの方法で材料を安く仕入れています。
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2.工事原価のカットの工夫:見積もりと現実の乖離による「無駄な出費」をカットする
そもそも多くの建設会社では工事原価をカットするための万全な体制が整っていません。材料発注の属人化、工事の進捗管理のあいまいさなどにより見積もりと実際に費用に乖離が生じ、お金の動きに無駄が発生しています。「目標利益に対してどの程度の工事原価カットが必要なのか?」という課題が、工事担当者の間で共通認識になっていなければなりません。
こうした問題をクリアするためには、材料の単価、発注量など原価の変動を一元管理できるシステムを使用する方法が有効です。また、システムの使用方法については担当者にしっかりと周知を行う必要があるでしょう。正確な工事原価を共通認識にして、組織全体で軽減に取り組んでいくことも大切です。
3.人員配置を効率化して「労務費」をカットする
給料や工賃に代表される労務費は、工事原価の中で大きな割合を占めています。工事原価を下げるためには、労務費カットの取り組みは避けられません。ただし、短絡的に人件費の削減と結論付けると、工事品質の低下が生じてしまいます。
どんなに歴史のある建設会社だとしても、オペレーションは必ずしも“完成”されていません。プロセスを見渡せば、いくつもの無駄が見つかる可能性があります。無駄を可能な限り排除していけば、現場の人員配置が効率的になりリソースが最適化されるかもしれません。
慣例だけで行っている作業や生産性がないのにもかかわらず時間がかかっている作業は往々にして存在します。そうした要素を極力排除し人員を有効活用することは、結果的に労務費のカットと同義です。
4.工事原価のカットとともに品質も下げないように注意!
工事原価を下げる最も簡単な方法は「品質を下げること」です。この点を妥協し、粗悪な部品を使用したり、人件費を下げたりすれば、工事原価は当然下げられます。しかし、同時に品質が下がったときに、起こりうるリスクは想像に難しくありません。
建設会社は、高いクオリティの仕事を期待されています。さらに、いつまでも成果物が残る仕事です。建造物の品質の低さが明らかになれば、継続的に自社の評価を下げ続けるでしょう。
もちろん、工事原価の軽減と期待する利益に関しては多くの建設会社でせめぎ合いが行われています。だからといって原価とともに品質も下げてしまうのは本末転倒です。上述したような、品質を下げずに工事原価を下げられる可能性を探ってみてください。
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工事原価を下げる代表的なポイントをご紹介しました。自社のシチュエーションによっては、他にも改善の余地が見つかるかもしれません。くれぐれも品質を下げないことを念頭に置き、さまざまな方法をお試しください。