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4つの要素で構成される「完成工事原価」の中身を知ろう
完成工事原価は、完成工事高に計上される工事の原価のことを指します。材料費・労務費・外注費・経費で構成されており、それぞれ正しく費用を算入することが大切です。完成工事原価の表示により、完成工事の純利益が明確となります。どのような費用を材料費・労務費・外注費・経費に含むのか確認しておきましょう。ここでは、完成工事原価の4つの要素について詳しくご紹介します。
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1.完成工事原価の要素:材料費
材料費は、工事に使用した材料の仕入れにかかった費用のことです。工事のために購入した材料や製品などが含まれます。一般的に、決算書の原価報告書に記載されている「材料費」をそのまま記載します。ただし、原価報告書に記載されている材料費は、「当期中の完成工事で純粋にかかった原価額」であるため、必ずしも完成工事原価における材料費と同額になるとは限りません。
前期末で200万円分の材料の在庫があり、当期中の完成工事に全て使用し、新たに材料や製品を購入する必要がなかった場合、当期中の材料費は0円となります。
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2.完成工事原価の要素:労務費
労務費は、現場の作業員に支払う給料や賃金、手当などを指します。工事にかかる労働力を得るためにかかる費用であるため、アルバイトや正社員など雇用形態に関係なく、給料や賃金、手当は全て労務費に含まれます。ただし、現場代理人や現場事務所の事務員に支払う給料などは、労務費には含まれません。
建設会社の中には、社長自らが工事現場で働いていることがありますが、この場合も工事現場で働いた分に関しては労務費に振り分ける必要があります。例えば、役員報酬が1,000万円で、7割が現場で働いており、残り3割が管理職として働いている場合、700万円が労務費で300万円が役員報酬となります。
3.完成工事原価の要素:外注費
外注費は、他社に工事を外注した際にかかった費用のことです。ただし、材料費などを自社で負担し、工事のみを外注した場合には、労務費の欄にある労務外注費に含めます。また、人員が足りないなどの理由で、他社に応援を依頼した場合にかかった費用も労務外注費に含まれることが一般的です。なお、外注費と労務外注費は厳密に区別されておらず、工事のみを外注した場合にかかった費用を外注費に含めてもいいと自治体の担当者に言われることもあります。
一般的には、自社の労働者が工事をする場合は労務費、他社の人が工事する場合は外注費か労務外注費に含めると覚えておきましょう。また、材料や道具を全て他社が用意する場合は外注費、それ以外のケースは労務外注費です。
決算報告書に記載された外注費をそのまま完成工事原価の外注費に転記すると、完成工事原価のうちほとんどが外注費となります。この場合、自社の思考能力がないとみなされることがあるため、注意が必要です。外注費と労務外注費のどちらに含めてもいい費用に関しては、労務外注費に含めるなどして、数字を調整するといいでしょう。
4.完成工事原価の要素:経費
材料費・労務費・外注費に含まれない原価は、全て経費となります。重機の使用料や工事にかかった光熱費、現場代理人や現場事務所の事務員に支払う給料、保険料、警備にかかった費用などは全て経費です。経費に含めるべき費用を一般管理費に含めているケースが多いため注意しましょう。
例えば、現場に行くためにかかった費用は、コインパーキングの駐車料なども含めて交通費に含めているケースが多くみられますが、実際には経費に含めるべき費用です。交通費に含むのは、工事に関係ない業務にかかったコインパーキングの駐車料などです。
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完成工事原価の4つの要素である材料費・労務費・外注費・経費は、正しく算入することが大切です。外注費と労務外注費は、どちらに含めるべきか迷う方がいるかもしれませんが、どちらに含めてもいいケースもあるなど複雑です。また、経費に関しては、一般管理費のうち交通費に含めていた部分が実は経費に含めるべき費用だったというケースもあります。4つの費用を正しく振り分けて、完成工事原価を正しく知りましょう。
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