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電子帳簿保存法(電帳法)それやらなくていいの?
改正電子帳簿保存法が施行されて1年近く経ちますが、うまく運用できているでしょうか?いまさら聞けない電子帳簿保存法として、その内容と導入について簡単にまとめました。
運用を検討している方も、まだ曖昧と感じている方も一度確認してください。
~改正電子帳簿保存法について~
電子帳簿保存法の手法は3種類ありますが、それぞれの違いについて混乱している方も多いと思います。これは、それぞれよく似た内容のものを、電子帳簿保存法とひとまとめにされていることが、非常にややこしくしている原因かと思います。
以下で1つずつ説明します。
①電子帳簿等保存
振替伝票等を会計システムで作成し保存することで、印刷した紙の保存を不要とすることができる制度です。
一般的な会計システムを使用しているのであれば、すぐにでも移行できる制度となっています。
(なお、一定要件をクリアすると罰則が5%軽減されるルール(所謂優良)もありますが、プラスアルファの部分となるので、必ず満たす必要はありません。)
②スキャナ保存
スキャン(撮影)されたデータを保存することで、請求書・領収書等の原本を不要とすることができる制度です。紙の保管場所や書類整理を要らなくできる制度となっています。
保管するデータの要件はありますが、スキャナ保存対応のシステムを導入すれば通常はクリアされるため、こちらも比較的簡単に始められる制度になっています。
―どうしたらいいの?―
①電子帳簿等保存と②スキャナ保存については対応が必須なものではないですが、取り組むことで業務効率化が期待できるものになっています。
これらは今の業務フローのまま電子化できることが多く、そのメリットも大きいため、導入を検討してはいかがでしょうか。
③電子取引についてはメール添付、ネットからダウンロード等、原本をデータで入手あるいは送付したものは、そのデータそのものを保存しなければならない制度です。
さらに、その保存についても修正できない措置を講じる必要があるため、基本的には、外部サービスを使う必要があるものになっています。
(事務処理規定を制定し運用することで回避することもできますが、アクセスの管理等、外部サービスを使用すること以上に人手がかかると思いますので、個人的にはオススメしません。)
―どうしたらいいの?―
③電子取引は、必ず対応しなければならないものになっています。ただし2024年1月までは実質的に施行が延期されていますので、あと1年猶予があります。
とは言っても、電子取引に該当するデータの送受は、管理部門以外でも多数発生しているため、社内での回覧(承認)方法の見直しなど、業務フローの再構築が必要になる場合が殆どですので、一筋縄ではいかないことが普通だと思います。
管理部門を中心として外部サービスの検討を含めた準備を行い、期日までに電子取引に対応した体制を整えていただきたいと思います。
執筆者
あさかわシステムズ株式会社
経営成長戦略室 参事
公認会計士 三宅大佳
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