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建設業の人手不足の原因と解決策についてわかりやすく解説

建設業の人手不足の原因と解決策についてわかりやすく解説
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日本では、どの業界でも労働力不足が叫ばれていますが、特に建築業界は、新卒者の離職率の高さや就業者の高齢化など、大きな問題を抱えていると考えられています。 本コラムでは、建築業界における人手不足の現状や打開策の例についてご紹介します。

1.建築業の人手不足の現状

建築業の人手不足の現状を分析すると、就業者のうち若年層の比率が低く、高齢化が進んでいる点が大きな問題として浮かび上がってきます。

国土交通省の「建設業及び建設工事従事者の現状」によれば、建設業就業者数は平成9年度(1997年度)をピークに減少傾向にあります。

さらに、令和元年(2019年)度に厚生労働省が全国の建設業1万5,000社を対象に行った調査結果によれば、直近3年の若年技能労働者の過不足感について、「不足」と回答した企業が57.9%と最も多く、「やや不足」と合わせると83.2%もの企業が不足感をもっているという結果が明らかになりました。

出典:「建設業における雇用管理現状把握 実態調査報告書 令和元年度調査」

また、建設業就業者の高齢化も顕著です。国土交通省の「最近の建設業を巡る状況について【報告】」によれば、建設業就業者の約3割が55歳以上で、29歳以下は約1割だといいます。定年や高齢による退職で、就業者数全体が減少してしまうことが懸念されます。

こうした状況の中、2025年には大阪・関西万博を、2027年にはリニア新幹線の開業を控えており、建設業界の需要を後押しする要素となっています。また、コロナ禍が収束した後はインバウンド需要が回復することが予想され、これに伴う観光施設、商業施設のリニューアルや新設が増加する可能性もあります。

このような状況から、建築業の人手不足はますます深刻化する恐れがあるといえます。

2.建築業の人手不足の原因

建築業における人手不足の大まかな原因は、上記の通りですが、さらに細かく見ていくと、「若者離れ」と「離職率の高さ」が主な要因であることがわかります。

若者離れ

少し古いデータになりますが、厚生労働省の「建設労働者を取り巻く状況について」によれば、平成28年(2016年)3月卒業の新卒が建設業へ就職した割合は全業界の5.8%と低くなっています。

そして、前章でもお伝えしたように、建設業界の就業者のうち29歳以下は約1割と少ないのが現状です。

建設業界が若者に敬遠される大きな理由となっているのが、いわゆる「3K」と呼ばれる職場環境です。3Kとは、きつい・汚い・危険の3つの条件が揃っているブルーカラーの職務を指す言葉です。


離職率の高さ

さらに、前出の「建設労働者を取り巻く状況について」では、新卒者の3年以内の離職者について、平成23年(2011年)3月卒業の新卒で、製造業と比べて高卒で約1.8倍、大卒で約1.6倍も高かったという調査結果が出ています。

前述の「3K」に加え、給与の低さや長時間労働、休日の少なさなどが離職の原因と考えられます。前出の「最近の建設業を巡る状況について【報告】」によれば、建設業男性生産労働者、つまり、現場の作業員の年間賃金総支給額は、昭和56年から令和元年までずっと、製造業や全産業の平均に比べて低いものとなっています。

また、建設業は長らく、法定労働時間(1日8時間/1週40時間)と法定休日(週1日)を超えて労働させる場合に必要な、労働基準法第36条に基づく労使協定と労働基準監督署長への届け出を行う「36協定」の適用除外業種でした。

働き方改革関連法により、2024年4月からは原則として月45時間・年360時間を超える時間外労働ができなくなり、違反した場合には罰則が課される恐れがあります。

休日の少なさについては、国土交通省が令和元年10月に発表した「建設業界の現状とこれまでの取組」によれば、建設業における技術者は、他産業では当たり前となっている週休2日もとれておらず、「4週4休」と「4週3休以下」が全体の半数近くを占めていることが明らかになっています。

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3.建設業の人手不足の解決策

このような建設業の人手不足を解決するには、次の3つに取り組む必要があるでしょう。

建設業の人手不足の解決策①雇用の促進

まずは旧来の求人アプローチを見直してみる必要があります。

とりわけ若年層は3Kのイメージから、建築業界を避けている傾向があるようです。3Kは建築業界の一側面でしかなく、魅力が多い職種であることを前面に押し出しましょう。キャリアパスによっては、現場作業以外の道があることを示すのも有効です。

また、求人媒体の見直しも必要です。インターネットの求人サイトやSNSの広告は見込みある若者の求職者への露出が期待できます。特に、SNSは「#求人募集」といったハッシュタグを付けて投稿することで、求人広告を出稿するコストを抑えながら若年層にリーチすることができます。近年、「ソーシャルリクルーティング」として注目を集めている方法です。

併せて、若年層と親和性の高いTwitter(ツイッター)やInstagram(インスタグラム)などのSNSを活用し、現場で活躍する若手のエネルギッシュな姿を投稿することで、従来の3Kを払拭することも大切です。

長期休暇前や年末など、求人展開のタイミングを調整するのもポイントです。

求人広告の費用対効果についても常に注目しましょう。効果が期待できない求人広告にコストをかけ続けるのは無駄でしかありません。

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建設業の人手不足の解決策②労働環境の改善

「3K」のイメージを払拭するためには、実際の労働環境も改善していく必要があります。

たとえば、ドローンやICT建設機械の活用により、危険な場所や機械周辺での危険な測量作業をなくしたり減らしたりして安全性を高めることが挙げられます。

ほかにも、仮設トイレや現場事務所を快適なものに替えるといった方法もあります。

また、待遇の改善は、最もシンプルかつ効果的な人手不足の打開策です。魅力的な給与はそれだけで大きなアピール力を持ちますが、福利厚生面をアピールするのも有効でしょう。

健康保険といった厚生年金保険といった法定福利厚生は、本来実施が義務付けられている福利厚生です。一方で、求職者にとっては法定福利厚生の有無が、いわゆる「ブラック企業」を見抜くフィルターとしても機能しています。法定福利厚生を実施していることはしっかりと明記しておくと、求職者の安心感につながるかもしれません。

そのほかの福利厚生は任意で提供する法定外福利厚生です。主に従業員のライフワークバランスに影響するため、こちらを拡充しアピールする方法もあります。法定外福利厚生が充実している企業はそれだけ従業員を大事にしているといえるため、求職者にとっては魅力的に映るでしょう。

さらに、長時間労働を改善するために、労働時間を管理することも重要です。残業や連続勤務を避けることで、働きやすい環境を整備しましょう。 たとえば、あさかわシステムズが提供する「勤CON管」では、現場からの出退勤入力が行え、労務情報を一元管理できるだけでなく、36協定に関わる時間外労働時間を管理して、超過する場合はアラート表示します。

建設・工事業に特化した勤怠管理システムのため、工事ごとに勤怠入力でき、工事に費やした工数集計することができます。


「勤CON管」について、詳しくはサービス紹介ページをご覧ください。

出面管理機能搭載 勤怠クラウドサービス「勤CON管」

建設業の人手不足の解決策③効率アップ&省工数化

人手不足そのものの打開策というわけではありませんが、今いる人材を最大限に活用することも重要です。

歴史の長い建設会社こそ、オペレーションに無駄が生じている可能性があります。さらに、現在は建築業界もIT化による過渡期といえるタイミングであり、効率化できる余地は少なくありません。無駄な工数の排除や人材配置の最適化、属人化の防止などにより、業務が大きく効率化されるかもしれません。

そこで活用したいのが、建設業界に特化したERPです。ERPとは、Enterprise Resource Planningの頭文字を取ったもので、「経営資源計画」「企業資源計画」などと訳されます。

本来、人・モノ・金・情報・時間・知的財産といった経営資源を総合的に管理して有効活用につなげることで効率化を図る概念を指す言葉ですが、近年、これを実現するためのソフトウェアを指してERPと呼ぶことが多いです。ERPを活用することで、管理業務や事務処理全般の効率化や、業務を標準化して属人化を排除することができます。

たとえば、あさかわシステムズが提供する、小規模建設・工事業向け建設クラウドERPサービス「ガリバー匠」なら、建設業における業務フローに沿って案件発生から工事完成までに生じる業務を一元管理でき、リアルタイムに経営情報の把握を可能にします。


「ガリバー匠」について、詳しくはサービス紹介ページをご覧ください。

小規模建設・工事業向け建設クラウドERPサービス「ガリバー匠」

業界全体の人材が不足している中、現在の人員で対処できるほど業務を効率化できれば、それは打開策として一つの正解といえるのではないでしょうか。最適な業務管理システムを導入すれば、決して非現実的な話ではありません。また、職人同士で手間のかからない工法を共有することも大切です。

4.まとめ

日本の人口減少、少子高齢化を背景に、どの業界でも人手不足が問題になっていますが、特に建設業界では、長らく「36協定」の適用除外業種であり、古くからの「3K」のイメージが根強く、深刻度の高い業界です。

人手不足は建築業界全体で取り組まなければならない問題です。今回の内容を参考に、ぜひ自社にとって有効な施策を打ち立ててください。


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