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曖昧じゃマズイ!?新収益認識基準について解説

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導入文

建設業会計の世界で、今最も話題となっているのは、2021年4月から上場企業に強制適用される「新収益認識基準」です。これまで認められていた「工事進行基準」が廃止され、売上の会計処理が新しくなることに伴い、上場企業の経理部門だけでなく、その関連会社、営業部門やIT部門なども対応に迫られています。中小企業にとって影響はそれほど大きくはありませんが、曖昧な知識のままだと大きな潮流に乗り遅れてしまうかもしれません。ここでは、新収益認識基準が導入される理由や概要などを解説します。

1.新収益認識基準が導入される理由

新収益認識基準が導入される理由は、国際的な動向にあります。これまでは、企業会計原則に「売上高は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限る」という一文があるだけで、売上に関するルールがないに等しい状態でした。様々なビジネスモデルが現れ、国際的にも会計基準を統一しようとする動きが高まる中、2018年に「新収益認識基準(収益に関する会計基準)」が開発されたというわけです。

新収益認識基準は、基本的には国際会計基準(IFRS)とほぼ同じで、これまで各国でばらばらだったルールが統一されました。新収益認識基準の導入に伴い、法人税法も改正されました。工事契約やソフトウェア、リースに関してはそれぞれ基準が定められていましたが廃止されることになり、売上の会計処理は新収益認識基準に統一されます。


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2.新収益認識基準の概要

新収益認識基準は、契約の識別、履行義務の識別、取引価格の算定、取引価格の履行義務への配分、履行義務の充足による収益の認識、という5つのステップを踏まえて収益を認識することになります。

建設業における一番問題になるのは「履行義務の充足による収益の認識」の判断です。新収益認識基準によると収益の認識の条件は以下のようになっています。

  1. 履行義務が一定の期間にわたり充足されるものは一定期間にわたって収益を認識
  2. 履行義務が一時点で充足されるものは一時点で収益を認識

1の表現が、従来から建設業界で使われてきた工事進行基準と類似していることため、従来通りでいいのでは、と思いがちですが、実はそうでもないのです。具体例でみてみましょう。

<具体例>

A建設会社は、顧客と建設工事の契約を締結しました。顧客の所有する土地以外での工事です。
契約
開始時に契約価格の10%の前払、建設期間中に定期的に契約価格の50%の支払、建設も検収も完了した時点で、契約価格の40%を支払うことになっています。企業側の契約不履行の場合以外、返金義務はなく、建設した資産は他に転用不能です。

「履行義務が一定の期間にわたり充足される」要件は以下の通りです。

  1. 企業が顧客との契約における義務を履行するにつれて、顧客が便益を享受すること
  2. 企業が顧客との契約における義務を履行することにより、資産が生じる又は資産の価値が増加し、当該資産が生じる又は当該資産の価値が増加するにつれて、顧客が当該資産を支配すること
  1. 次の要件のいずれも満たすこと

① 企業が顧客との契約における義務を履行することにより、別の用途に転用することができない資産が生じること
② 企業が顧客との契約における義務の履行を完了した部分について、対価を収受する強制力のある権利を有していること

具体例では、3.の要件が問題になってきます。転用不能なのは明らかですが、返金義務がないとしても、履行済み部分に対する対価については、累積支払金額が少なくともその日までに完了した履行に対する報酬金額に相当するものでなければなりません。

検収前までの累積支払金額は、契約価格の60%で工事の進捗度合に応じた報酬金額よりも少額であるとみなされ、その日までに完了した履行に対する支払を受ける権利はないと判断されます。

したがって、当該建設工事は一定の期間にわたり充足される履行義務ではないため、工事完成基準に類似した売上の計上はできません。つまり、財又はサービスの支配が顧客へ移転した一時点で収益を認識することになるのです。

3.既に導入している企業も

新収益認識基準は2018年に公表されましたが、本適用は2021年4月から始まる事業年度です。早期適用が認められており、経営財務3426号によると、2019年9月23日において早期適用は合計36社で、うち33社が東証一部上場企業となっていいます。医薬品が5社、情報・通信業8社、電気機器が7社となっており、建設業では住友林業が2020年3月から導入しているのです。

中小企業で監査対象法人に該当しない企業については、2021年4月以降も、引き続き企業会計原則に則った会計処理を行うことができます。

4.中小企業こそ新収益認識基準のメリット大?

2021年から始まる新収益認識基準の強制適用は、元請けの大企業と取引をしている中小企業にとって、経営状態や資金繰りの改善につながる絶好の機会になるかもしれません。新収益認識基準の根っこには、「表面上の契約内容がゆがんでいる場合は、ゆがみを正してから適切な会計処理を行う」という考え方があるからです。

立場の弱い中小企業と大企業が結んでいる契約書において、取引の実態と契約書に記載されている金額が一致していない場合、新収益認識基準の導入をきっかけに、大企業に対して、契約変更を働きかけ、取引の実態に合った金額と時期に適切な収益を計上することを促すことも考えられます。

5.まとめ

新収益認識基準は2021年4月の事業年度から、上場企業において強制適用されます。これまであやふやだった売上の会計処理が国際的に統一されることで、世界共通の尺度で海外企業と比較できるようになります。中小企業の経営者や経理担当者は対岸の火事とはせずに、会計基準の変更について大枠だけでも理解しておくことが大切です。

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