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JV(共同企業体制度)の会計処理やメリット・デメリットについて解説

JV(共同企業体制度)の会計処理やメリット・デメリットについて解説
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建設業に携わる方ならば、JV(共同企業体制度)という言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。JVには、結成目的や施工方式によっていくつかの種類がありますが、会計方式は大きく2種類です。今回は、JVの種類と会計方式、よくあるご質問をご紹介しますので、JVの会計について知識を深めましょう。

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1.JV(共同企業体制度)ってなに

建設業におけるJV(Joint Venture/ジョイントベンチャー)とは、共同企業体を指します。 国土交通省によると「建設企業が単独で受注及び施工を行う通常の場合とは異なり、複数の建設企業が、一つの建設工事を受注、施工することを目的として形成する事業組織体のこと」と定義されています※。

法的には、法人格はなく民法上の組合の一種とされ、通常2~5社の構成員によって運営されます。

JVは結成目的によって3種類があり、さらに施工方式が2種類に分かれます。

※「建設産業・不動産業:共同企業体制度(JV)(国土交通省)

結成目的による区分

結成目的による区分には、「特定JV(特定建設工事共同企業体)」「経常JV(経常建設共同企業体)」「地域維持型JV(地域維持型建設共同企業体)」があります。

特定JV(特定建設工事共同企業体)

特定の工事の施工を目的に結成され、工事完了とともに解散します。

大規模で技術的難易度の高い工事に採用されます。

経常JV(経常建設共同企業体)

中小・中堅建設業者が継続的な協業関係を確保することにより、その経営力や施工力を強化する目的で結成されます。

地域維持型JV(地域維持型建設共同企業体)

地域の維持管理に必要な事業を継続的に行うために結成されます。

具体的には、除雪や除草、堤防の補修、道路の舗装や修繕などです。

施工方式による区分

施工方式による区分には、「共同施工方式(甲型JV)」と「分担施工方式(乙型JV)」があります。

共同施工方式(甲型JV)

あらかじめ定めた出資比率に応じて、資金や人員、機械などを拠出して、各構成員が共同施工する方式です。 利益も出資比率に応じて分配されます。

分担施工方式(乙型JV)

合意した分担工事額に応じて、工事箇所別などに分担し責任をもって施工する方式です。 工事は分担しても、連帯責任で工事全体の責任を負います。利益は分担箇所ごとに精算されます。

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2.JVの会計処理について

<スポンサー会社とサブ会社>

JVは複数の構成員からなる共同事業体で、法的に構成員は出資比率に関係なく対等ですが、JVの運営を効率的にするために構成員の中から代表者を決定し、その代表者には業務の中心となる権限が付与されます。この代表者をスポンサー会社、それ以外の構成員をサブ会社と呼びます。

スポンサーの役割は多岐に渡り、発注者との折衝、請負代金の管理、現場管理、工事計画の立案と遂行、実行予算の策定、JV委員会の運営などさまざまなものがあります。その中でも重要なもののひとつが会計処理を担当することです。スポンサーは毎月末にサブに財務諸表を提出しなければなりません。

<JVの会計方式>

JVの会計方式には、取り込み式と独立方式のふたつがあります。国土交通省の指針によると「JVは本来ひとつの独立した事業組織体であり、その組織体ごとに実際の工事の施工や管理などが実施されている。そのため、会計も独立した組織体として行われることが自然」とありますが、実態としてはその多くが事務作業の煩雑さから取り込み方式を採用しています。

取り込み方式

JVの会計処理をスポンサーの会計に取り込んで処理する方式です。この場合、JVの会計がスポンサーの財務諸表に入り込んでしまうため、出資比率に応じて修正する必要があります。この方法には2種類あり、スポンサーが取引の都度JVの持分のみを処理する「逐次持分把握法」と、期末または決算時に持分のみを計上する「決算時持分把握法」に分かれます。

独立方式

JVを企業から切り離し、独立した会計とする方式です。JVのどの構成員の会計システムも利用せずに、独立した会計を行います。

取り込み方式と独立方式のどちらの方式を利用しても、決算では同じ結果になります。

3.JVのメリット

JVを採用するメリットには、次のようなものがあります。

資金力のアップ

共同体となることで、それぞれ単独企業の場合に比べて資金力がアップします。

資金が潤沢であれば、たとえば、必要な人員や機械を揃えるのが楽になったり、資本金の金額が大きくなることで信用度が増し、入札で有利になったり金融機関から融資を受けやすくなったりするでしょう。

リスクの軽減

個々の企業としての経営があった上で、共同体としての運営が成り立っているため、JVを採用するだけで、リスクヘッジになります。

たとえば、どこか一企業が経営難に陥ったとしても、残り大半の企業が無事なら、受注した工事を継続できます。

技術力の向上

JVを採用すると、一つの団体として大きな案件を受注できます。そして、大きな案件では高い技術力が求められるケースが多いです。

このため、技術力の低い企業は、現場で共有されるさまざまな技術を習得でき、技術力を高めることが可能です。

受注の可能性が上がる

たとえば、自社が何か一つの専門性を高めたとすると、汎用性がなくなる分、受注の可能性は下がります。また、経営状況の悪化などから企業規模を縮小した場合も、信用度が下がって受注しづらくなります。

JVを結成することで、自社の専門性を活かしながら協同体として他社の専門性や技術を疑似的に保有したり、資本金を大きくしたりできるため、受注の可能性を上げることができます。

施工が円滑になる

JVとして請け負った工事は、代表者であるスポンサー会社が全体を統括し、ほかの参加企業であるサブ会社は、それぞれの担当工事について報告を行うというスタイルで進められます。

スポンサー会社の業務負担は大きくなるものの、全体の進捗状況を管理しやすく、各現場ではそれぞれの工事に専念でき、全体としての施工が円滑に進むことが期待できます。

4.JVのデメリット

一方、JVにもデメリットが存在します。
それば主に、「スポンサー会社にとって有利な選択が可能になる」「利益と責任が連携するため、連帯責任になる」の2点です。

スポンサー会社にとって有利な選択が可能になる

「スポンサー会社とサブ会社」でお伝えした通り、出資比率が最も高いスポンサー会社には、さまざまな管理業務が発生します。同時に、見積や入札金額の決定など、意思決定も担います。

このため、スポンサー会社は自社にとって有利な決定を下す可能性が高く、サブ会社に不利となる恐れがあります。
これは、スポンサー会社にとってはメリットですが、サブ会社にとってはデメリットとなります。

利益と責任が連携するため、連帯責任になる

「施工方式による区分」でお伝えした「共同施工方式(甲型JV)」を採用した場合は、利益・損益は、出資比率に応じて配分されます。このため、たとえ自社が担当した工事で利益が出ていても、ほかの参加企業が担当した部分で損益が出た場合、最終的に自社が損益を被る恐れもあります。

また、参加企業の中に、工事の途中で倒産してしまう企業があった場合、そのカバーに入らなくてはなりません。

このように、連帯責任になることでデメリットが発生する可能性があります。

5.よくある質問

JVの会計処理で、よくある質問をまとめました。

Q:JVの結成前に発生した費用の処理方法は?
JVの結成前に発生した費用については、結成後の運営委員会の協議を待つ、事前に自社内でJVの協定原価に算入するかどうか決めて処理するなどの方法があります。

Q:JVにおける消費税の納税義務は誰(どこ)が負うのですか?
納税義務は各構成員が負います。建設共同企業体協定書(協定書)に明記されている利益の分配割合に応じて支払います。

Q:JVにおける出資金請求での消費税の取り扱いはどのようにすればよいですか?
出資金は各構成員がJVに対して支出する場合はまだ構成員の持分なので、課税対象外となります。出資金で建設資材などを購入したときに課税されます。

Q:JV工事で支払う給与への源泉徴収義務は誰に対して発生するのでしょうか?
JVでの労働に対して支払う給与でも、支払者に源泉徴収義務が発生します。JV(共同企業体)として労働者を直接雇用することはありません。

Q:構成員の一部が破産した場合は?
構成員が開札前に破産した場合、その構成員はJVを脱退、新たな構成員を加えてJVを再結成することができます。開札後(施工中)の場合は、受注した工事を残存企業で遂行します。残存企業が2社以上の場合は、脱退企業の出資比率を残存企業に配分し、脱退企業の技術者の従事期間をJVに所属していた最終日に修正します。

残存企業が1社のみの場合、発注者にJV契約を続行するか確認します。JV契約続行の場合は残存企業2社以上の場合と同じ手続きをとり、単独契約に切り替える場合には、受注形態を単独に変更の上、請負者情報を残存企業の情報に修正します。


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4.まとめ

JV(共同企業体制度)を採用するメリットやデメリット、会計処理について解説しました。
JVには、採用するメリットが多いものの、デメリットもあるため、事前に理解した上で採用しましょう。

会計処理については、取り込み方式が採用されるケースが多く、スポンサーの会計に取り込んで処理したり、
出資比率に応じて修正する必要があったりすることから、複雑になりがちです。

そのような時に活用したいのが、会計処理も効率化してくれるERPです。
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