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建設業界がグリーンインフラの実現に向けて取り組むべき理由とは
グリーンインフラは世界的な気候変動に伴う災害リスクや土地利用などの課題解決のためにも重要な手法です。建設業界においてもグリーンインフラに取り組むことはメリットがあります。この記事では、グリーンインフラの概要や背景、取り組むべき理由を紹介します。
1.グリーンインフラとは
そもそもグリーンインフラとは、グリーンインフラストラクチャー(Green Infrastructure)の略称で、社会資本整備の手法を指す言葉です。自然が有する多面的な機能を生かしながら、環境保全を考慮して国土や地域の課題に対応する取り組みを表しています。
特に日本は地震などの自然災害が多いため、持続可能な国土や地域をつくることは重要なポイントとなります。グリーンインフラでは、水・緑・生き物の3つの要素のバランスを取ることが不可欠です。環境整備のハード面、運用技術のソフト面を両輪として推進しなければなりません。
2.グリーンインフラが必要とされる背景
グリーンインフラは、もともとアメリカで誕生した社会資本整備手法です。その背景には、自然環境が保たれた社会と経済成長を両立させる課題が関係しています。成熟を迎えた人間社会を持続可能にするには、環境保全が不可欠です。近年は、世界的な気候変動に伴う災害リスクが高まっているため、経済成長だけに目を向けるのではなく、人が自然に対して積極的に関わる姿勢が問われています。
災害リスクや土地利用などの課題解決に取り組むためにも、グリーンインフラは重要な手法と言えるでしょう。また、グリーンインフラと同じく注目を集めているのが「SDGs」です。SDGsとは、環境や社会、経済における課題解決と共に、”誰一人取り残さない”世界の実現を目指す国際的な目標のことです。
SDGsでは17項目の開発目標が掲げられており、その中には「安全な水とトイレを世界中に」「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」など、自然保護に関わる項目も含まれています。そのため、グリーンインフラにおける取り組みを推進することで、SDGsの目標達成に貢献する可能性があるのです。グリーンインフラとSDGsは密接な関係にあり、近年は両者とも社会的に注目を集めています。
3.建設業界がグリーンインフラに取り組むべき理由
建設業界において、グリーンインフラに取り組むことはビジネス面でメリットがあります。なぜなら、会社組織としてグリーンインフラを推進することで、企業のイメージを向上できるためです。昨今は、環境保全や持続可能な社会の実現に向けて、世界的に大きな潮流が生まれています。そのため、熱心に取り組むことによって企業としての魅力が高まり、新規顧客の開拓や、人材の発掘などの効果も期待できるでしょう。
また、グリーンインフラを推進する取組事例や手法が評価されると、「グリーンインフラ大賞」が授けられます。この「グリーンインフラ大賞」には「国土交通大臣賞」が設けられているため、企業として大きくアピールできる効果を得ることが可能です。
グリーンインフラとSDGsには共通する項目もあります。特に建設業界では、SDGsの「住み続けられるまちづくりを」「つくる責任つかう責任」などが関係してくるでしょう。若手人材の不足など、多くの課題を抱える建設業界において、自社を永続的に繁栄させるためにも、グリーンインフラの推進は大きなポイントとなります。クリーンな企業風土を打ち出し、新規顧客や人材を確保することは重要なのです。
4.まとめ
グリーンインフラとは、アメリカで誕生した社会資本整備の手法の一つで、現在は日本国内でも大きな注目を集めています。グリーンインフラに取り組むことで、企業としてのアピール力を高めるなどのメリットも期待できるでしょう。
また、国際的な目標であるSDGsと共通する項目も多いため、建設業界においても積極的な取り組みが必要となってくることが考えられます。建設業界でグリーンインフラの取り組みを推進させるためにも、ぜひ今回の内容を参考にしてみてはいかがでしょうか。
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