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メンテナンスサイクルとは~事例や課題など分かりやすく解説~

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メンテナンスサイクルとは何なのか、トンネルの事例を紹介しながら分かりやすく解説します。メンテナンスサイクルの構築にはどのような課題があるのか、どのような取り組みが必要なのかについても紹介します。

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1.メンテナンスサイクルとは

メンテナンスサイクルとは、点検・診断・修繕などの措置や記録を、くり返し行う業務サイクルのことです。

道路・橋梁・トンネル、河川・ダム、下水道などのインフラ長寿命化のための取り組みとして、国土交通省は持続可能なインフラメンテナンスの実現を目標に掲げています。そのためには、自然環境や利用状況、構造や材料など、対象物の特性をふまえて効率よく維持管理する、メンテナンスサイクルの構築が重要です。

1.点検

あらかじめ、どれくらいの頻度で点検を行うのかを決めておき、計画的に点検

2.診断

対象物の健全度を、あらかじめ決めておいた尺度で診断

3.措置

点検や診断の結果、対策が必要だと判断した場合には、対象物の特性に応じた管理水準で、計画的に修繕といった措置

4.記録

点検・診断・措置について、結果を次の点検に反映できるよう記録

2.メンテナンスサイクルの事例

建設から何十年も経ったインフラの老朽化は、社会問題となっています。笹子トンネル天井板落下事故といえば、多くの方の記憶に残っているのではないでしょうか。これは、インフラの老朽化が引き起こした大事故でした。2度とこのような事故が起こらないよう、メンテナンスサイクルを着実に実施していく必要があります。

メンテナンスサイクルの事例として、トンネルのメンテナンスサイクルについてご紹介します。

1.点検

トンネルの点検は、必要な知識や技能を持った者が、5年に1回の頻度で近接目視により行うよう、省令・告示により定められました。具体的な点検方法や健全性の診断などは、道路トンネル定期点検要領にまとめられています。

2.診断

トンネルの診断は、健全性を4段階で評価します。
Ⅰ 健全…機能に支障がない状態
Ⅱ 予防保全段階…機能に支障はないが、予防保全のための対策をしておいた方がよい状態
Ⅲ 早期措置段階…機能に支障が生じる可能性があり、早々に対策をしなければいけない状態
Ⅳ 緊急措置段階…機能に支障が生じている、またはいますぐ支障が生じる可能性が高く、大至急対策をしなければいけない状態

3.措置

健全性の診断結果に応じ、必要な補修や修繕などで対応します。

4.記録

トンネルの定期点検や診断の結果、またそれに対しどのような対策をしたかなどを記録し、トンネルが利用されている期間中、保管します。

3.メンテナンスサイクルの課題と取り組み

メンテナンスサイクルの構築には、さまざまな課題もあります。そのひとつが技術者不足。国土交通省のメンテナンスサイクルを全国に根付かせたいという意向とはうらはらに、技術者不足により、体制を整えるのが難しい地方自治体が多くあります。

現段階での点検や診断の実施体制もままならないうえ、今後、補修や修繕に対応できる人材の育成や確保は大きな課題です。人材育成の取り組みは行ってはいるものの、なかなか体制が整いません。外部人材の活用についても、進んでいないのが現状です。

登録資格保有者である外部技術者の人材確保、また新技術の導入など、課題解決を目指す体制作りやしくみの構築が、早急に求められています。

4.まとめ

メンテナンスサイクルとは何なのか、トンネルの事例を紹介しながら分かりやすく解説しました。しかし、メンテナンスサイクルの構築には、課題もあります。技術者不足により体制が整わない地方公共団体も、多くあるのです。それらの課題を解決するには、外部人材の活用や新技術の導入など、さらなる取り組みが必要となります。

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