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建設業界で注目のIT!BIMとは?
土木・建設業といえば、世の中では3Kとして認知されてきた職業です。「キツい・汚い・危険」の3拍子揃ったガテン系のイメージがあるかもしれません。
しかし、時代は変わり土木・建設業にはITが導入されるようになっています。体力と根性だけで乗り切れた時代とは違い、今は知識にスキル、そして知能が必要な職種になってきているのです。
3Kと言われていた土木・建設業も、今では新3Kとして「給料・休日・希望」というホワイト企業の代名詞にもなってきています。
そんな土木・建設業界で話題になっているのが「BIM」です。
BIMとは何なのか、どんなものなのかを理解し、建設業界を盛り立てる一助としていきましょう。
1.BIMがもたらす未来
BIMは「Building Information Modeling」の略で、建築構造物の立体ビジョンを作成する新しいタイプのソフトウェアの形式です。実際に建築されるものに対し誤差が少なく、より精密な情報をコンピューター上で再現できるシステムになります。
従来はCADシステムを利用して再現してきた経緯がありますが、BIMを採用することで変換の手間を大幅に削減可能です。
2.CADと比較したBIMのメリット
CADシステムとBIMシステムの大きな違いは、以下の通りです。
- 2次元変換の3次元映像なのか
- スタートから3次元なのか
CADシステムは、2次元(平面)で考えられた製図に対し3次元での展開ができるソフトウェアです。そのため、3次元展開する際は細部で大幅な修正が必要になってしまうという欠点がありました。
BIMシステムを採用するようになり、建築物の構想段階で3次元の製図作成が可能となった結果、よりリアルな情報が再現できるようになったのです。
これは、イメージ構想からパース作成までの工数削減につながるだけでなく、実際に施工に入るまでの期間を前倒しでき、工期に余裕を持って望むことが可能となります。
結果的に無理なスケジュールでの突貫工事がなくなり、安全に正確な施工が可能になるため、事故の少ない工事につながるのです。
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3.BIMで解決できる課題
BIMは、実際の設計に対し高い精度を持った設計図が作成できます。そのため、2次元で考えていた際には問題とならなかったリアルとの誤差が、事前にコンピューター上で差異として認知できるようになったのです。
このほか、コスト面や設計士の負担軽減など、BIMの導入で解決できるポイントを以下にまとめました。
イメージ図とフレーム設計の差異がわかる
外観図でイメージされる建築物が、実際に建てられる際は必ずフレームから建てられます。建築前に間取りや設計躯体に変更があった際、本来予定していた設計では対応できないケースも発生することも少なくありません。
BIMを採用していると、予定されるフレーム構造と完成形の差異が一目瞭然になるため、作業に入るまで分からなかった構造的欠点を事前に察知できます。
コスト変異も早い段階で察知できる
内部構造や外構、インテリアなども細かく設定しながら3次元マッピングできるBIMであれば、変更によって生じるコスト変異についても早い段階で把握できるようになります。
施工主に対し工事前に通知することができ、後々発生する可能性のあるトラブル要因を解消できるシステムです。
設計士の負担軽減
CADシステムで3次元マッピングしてきた従来の設計士の作業を、飛躍的に軽減できるのがBIMシステムです。
2次元からの3次元展開は、空間軸が増えることで生じる辻褄合わせの作業が必ず発生してしまいます。この差異、設計士は細かな計算の上で実際との近似値で3次元展開させていきますが、BIMは最初から3次元でのイメージ制作が可能なため、辻褄合わせのために要していた時間をカットすることができるのです。
4.BIMがもたらす未来
BIMの普及が進み、建設業界では作業時間の短縮や安全な作業に大きな貢献が見込めています。また、予想値と実際の値の差を現地で比較検討するために、現場へBIMを持ち込みより確実な施工が可能となる未来も目の前に存在しているのです。
BIMは建設業界だけでなく、今後幅広い事業にも大きく羽ばたいていくことが予想されます。
過去、CADシステムが建築業界を飛び出しジュエリー業界で大きな功績を残してきました。同じ道を歩んだとしても、より精密なジュエリー制作や、宝石のカットデザインの進化に貢献できることが容易に想像できます。
別業種に進出するにしても、設計が必要な業種では同様な功績を期待でき、計測・測定などの分野に進んでも精巧な作業につながるでしょう。
5.まとめ
BIMは、これまでの常識をより高い次元で精巧に作業できる環境を作ってくれる新しいシステムです。建設業界において、大幅な時間削減と作業量の簡略化が可能となった画期的システムになります。
CADシステムでさえ大きな功績を残しているにもかかわらず、さらに進化したBIMが今後幅広い分野で有効活用される未来が容易に想像できるでしょう。
建設業の安全な作業への貢献や、より精密な設計が可能となったことで、施工主の満足度にも直結するBIMの今後に注目です。
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