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建設業許可を取得することのメリットとデメリット
建築に関する事業をしていくうえで、建築業許可を取得するかどうかというのは、大きな選択となります。建築業許可を取得することで、会社はどのようなメリットを受けることができるのでしょうか?また、逆に建築業許可を取得することにより、生じてしまうデメリットなどはあるのでしょうか?ここでは、具体的なメリットやデメリットなどについて詳しくご紹介します。
1.建設業許可取得のメリット:融資を受けやすくなる
建設業許可を取得していると、金融機関からの融資を受けやすいという点は大きなメリットです。一般的に、金融機関から融資を受けるためには一定の信用が必要となります。ゼロから始める場合でも、事業計画書などを提出して、返済の見通しが立っていることを証明しなければならないのです。建設業許可は、一定の許可要件があるので、どんな会社でも簡単に取得できるものではありません。
実際に企業として建設業に携わったことがあるかどうか、建設業に関わる国家資格の有無や、資金などがクリアできないと取得することはできません。建設業許可を取得しているということは、「国から認可を得て事業を行っている企業である」ということをアピールすることができるのです。実際に事業を運営している実績もあるので、融資を受けたい場合に役に立ってくれることでしょう。
2.建設業許可取得のメリット:公共工事の入札が可能になる
建設業を安定して事業運営していくためには、公共工事を積極的に受注していきたいものです。そうすることにより、景気に左右されずに、毎年一定量の仕事が発注されるというメリットがあります。公共工事の発注には、景気を刺激する目的もあるので、ゼロになるということはないのです。また、工事代金を確実に回収できる、そして営業をかける際の施工実績として提示しやすくなるでしょう。
公共工事を受注するためには、建設業許可を受けて経営事項審査や競争入札参加資格申請などを行うことで、初めて公共工事への入札が可能となります。つまり、公共工事を受注したいのであれば、建設業許可の取得が必要不可欠となるのです。建設業許可を取得するために、手間がかかってしまいますが、安定した受注を得ることが期待できるというメリットがあるでしょう。
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3.建設業許可取得のメリット:500万円以上の工事ができるようになる
建設業許可を取得していない場合、建設業法によって、受注できる仕事に制限がかけられてしまいます。取得していないと、500万円以下の工事を請け負うことができないのです。丁寧な仕事を請け負っていると、徐々に請負できる仕事が大きくなっていきます。せっかく、顧客から大規模案件の依頼が来たとしても、建設業許可を取得していない場合は、断らざるを得ない状況になってしまうのです。
ビジネスチャンスを逃してしまうことにもなりますので、できるだけこのような事態は避けたいものです。建設業許可を取得しておけば、制限を受けることなく工事を受注することができます。また、500万円を超えるかどうかの微妙な案件でも、気にすることなく請負をすることができるようになるでしょう。
4.建設業許可取得のデメリット:時間と手間がかかる
ここまでご紹介してきたように、建設業許可を取得することで、企業が受けられるメリットは非常に大きくなります。しかし、もちろんある程度のデメリットがあります。それは、時間と手間がかかってしまうということです。建設業許可を取得するためには、知事許可で30日程度、大臣許可で120日程度の期間を要します。すぐに取得できるわけではないので、余裕をもって準備しないといけません。
また、申請をするために書類の整備などの手間がかかるだけではなく、取得後にも申請内容に変更などがあると、そのたびに変更届を出さなければなりません。また、年に1回、前年の工事実績などの報告も必要となります。報告を怠ってしまうと、最悪の場合許可の更新を受け付けてもらえなくなるので気をつけましょう。このように、建設業許可を取得して維持していくためには、時間と手間がかかってしまうのです。
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建設業許可を取得することで、「信用力が上がり融資を受けやすくなる」「公共工事の入札が可能となる」「500万円以上の請負ができるようになる」など、メリットが非常に大きくなります。しかし、「申請するために時間がかかる」「申請時や許可後も届け出や報告が必要」などのデメリットもあります。ただし、デメリット以上にメリットが多いので、まだ建設業許可を取得していないのであれば、積極的に取得を考えてみてはいかがでしょうか。
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