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インフラ老朽化について建設業界が抱える課題

インフラ老朽化について建設業界が抱える課題
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インフラ老朽化は日本の課題の一つです。老朽化には、建設からただ単に時間が経過しているということ以外にも問題点が隠れています。この記事では、日本のインフラ老朽化の現状と問題点、解決に向けた動きについて紹介しています。

1.インフラ老朽化とは

インフラとは、インフラストラクチャーの略語であり、産業や生活の基盤となる施設全般を指す言葉です。道路・橋梁・河川・上下水道・送電網・港湾・ダム・通信網などの産業を支える施設のほか、学校・病院・公園に加え公営住宅など、生活基盤となる施設も含まれます。

日本のインフラは高度成長期に建設されたものが多いため、現在インフラの老朽化が進み、深刻な社会問題となっています。国土交通省は、今後20年で老朽化するインフラは急激に増えていくと予測しており、2023年までに2メートル以上の橋梁の43%、トンネルの34%が建設50年以上を経過すると発表しました。

インフラ老朽化により、コンクリートのひび割れや部品のさび、摩耗が生じるため、インフラ施設や設備の耐久性が低下してしまいます。国は財政難のため、インフラの修繕・改修に充てる予算を縮小してきましたが、これ以上放置すると重大な事故が起こりかねません。

すでに、2012年12月2日に山梨県の笹子トンネルの天井板が138mに渡り落下し、多くの死傷者を出す事故が発生しています。同年の7月23日に大阪の堺市、和泉市では水道管破裂事故が起こり、約3万3千戸で断水しました。

上記のようなインフラ老朽化に起因する事故の防止は、喫緊の課題といえます。

2.インフラ老朽化に関する最重要課題について

インフラ老朽化への対策として、老朽化したインフラの修繕や改修など適切な維持管理が求められています。

しかし、建設業界の人材は不足しており、2018年度(平成30年度)は2017年度と比較して、2万人ほど減少していました。さらに、働き方改革導入による、時間外労働の上限規制の適用とそれによる労働時間の減少分も考慮すると、インフラの適切な維持のためには2023年までに18万人ほどの人材の確保が必要となる計算です。

ただ、建設業界の人材は、新規の在留資格以外の外国人の入職を含めた場合でも、2023年までに3万人ほどの減少が見込まれているため、この事情も踏まえると、2023年までに21万人の人材確保が必要です。

それに加え、インフラが老朽化しているか否かの判断は容易ではないため、単に人手不足を解消するだけでなく、問題に対応できる技術者を増加させなければなりません。インフラの老朽化は、目に見えるひび割れや摩耗だけでなく、劣化が視覚化されない場合もあるため、危険を察知するためには高い技術や経験が要求されます。

つまり、単純に人材を確保するだけでなく、インフラ老朽化に対応できる知見や経験を備えた技術者が必要であるため、問題はより深刻なのです。

3.インフラ老朽化に対する建設業界の取り組み

国土交通省の「2020年度予算概略」よると、公共事業関係費は5兆9,369億円(前年度比99.5%)となっており、これは防災・減災、国土強靱化3か年緊急対策を実施するための臨時・特別措置により、6,802億円が積み増しされ大幅な予算増となった前年と同等の水準です。

建設業に関する項目に目を向けると、インフラ老朽化対策に前年度を上回る予算を投入されていることがわかります。

次に、国土交通省と厚生労働省の連携で進められる「建設業の人材確保・育成に向けて(2020年度予算案の概略)」を項目別に注目すると、以下のことが読み取れます。

・「建設産業の働き方改革推進」は予算額1.46億円で前年比140 %
・「建設事業主等に対する助成金による支援」は予算額61.8億円で前年比105%
・「ハローワークにおける人材不足分野に係る就職支援の拡充」は予算額38.6億円で前年比113%

いずれも前年度を上回る予算が投じられており、今後も建設業の人材確保、人材育成への積極的な支援に期待が持てるでしょう。

最後に、国土交通省の統計資料から、建設工事の出来高、手持ち工事高、受注工事高の推移を確認します。

「建設工事の出来高」は2019年11月の出来高は5兆26億円で、前年同月の4兆9,156億円を上回る結果です。年間の出来高も、好調だった2018年とほぼ同じ水準で推移しており、建設市場は堅調であったと判断してよいでしょう。

「手持ち工事高」は2019年11月時点で33兆9,555億円となり、前年同月の32兆8,441億円を上回り、高水準をキープしています。手持ち工事高とは、受注した工事金額の中で、その時点で工事が終了していない金額を指す用語です。

「受注工事高」もほぼ2018年と同等の高水準の推移が確認でき、中長期的に見ても、建設市場の順調な推移が予測されます。

4.まとめ

インフラ老朽化は、現在の日本が抱える大きな課題となっています。インフラ老朽化への対応には、単なる人材確保だけでなく、知識や経験、問題解決能力を持つ技術者の確保が必要です。

国からの支援があることから、建設市場は好調に推移しており、今後の人材確保とさらなる景気向上に期待が持てるでしょう。

 
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