公開日
更新日
アメリカの建設業界と日本の建設業界の違いとは?
日本とアメリカの建設業界には相違点がいくつかあります。加えてアメリカでは労働環境の改善に向けた取り組みが進んでいます。
この記事では日本とアメリカの建設業界の違いに加え、労働環境の改善のために知っておきたい知識を紹介します。
建設業向けクラウド型勤怠管理システムはこちら!
1.アメリカの建設業界にはゼネコンが少ない
日本と比較して、アメリカでのゼネコンは小規模の活動にとどまっているのが現状です。
ゼネコンは建設に従事する職人を直接雇わず、発注元から依頼された設計や施工などの案件をすべて引き受け、工事に必要となる工程を専門の下請け会社へそれぞれ割り当てる役目を果たしています。ゼネコンは仲介者として働き、発注元からの要望に合わせ、設計であれば設計の専門性が高い業者に依頼し、施工であれば施工の専門性が高い業者へ依頼するのです。
一方、アメリカでは日本と違い、ゼネコンが設計、施工業者へ案件を割り振り過程はあまり見られません。発注者が発注するタイミングで、施工と設計を分けるからです。ゼネコンと同様の働きをする企業も存在するものの、主流ではありません。
このようにアメリカの建設業界と、日本の建設業界では、ゼネコンの規模や、ゼネコンの影響力が根本的に異なります。
2.アメリカの建設業界と日本の建設業界の労働
アメリカの建設業界には、労働組合が全国規模で組織化されていることも、日本の建設業界との違いのひとつです。
労働組合は全国的に構成され、各州には支部が設定されており、組合員の合計は約100万人に及びます。労働組合の働きとして、建設会社と労働協定を結ぶ点はアメリカの建設業界の特徴でしょう。
契約の例として、週40時間の労働、ただし天候などの影響で40時間に満たない場合は、賃金の救済措置として土曜日に就業も可能といったことが挙げられますが、ただし、原則土日の就業は禁じられていることから、週休2日制が保たれています。
例外を除いて土日就業した場合は協約違反として、命令を出した管理者と、協約に反する行動をとった労働者双方が罰せられる仕組みです。
協約の巻末には賃金に関する取り決めも明記されており、労働者の賃金は守られ、建設業者には規定通りに支払う義務が生じるのです。
さらに、アメリカの建設業界は生産性も高く、日本であれば建設作業員が7人で5時間かかる作業を、アメリカの建設作業員なら4人がかり3時間で終了させるケースもあります。
3.日本の建設業界の労働問題に向けた動き
少子高齢化の影響から、日本では様々な分野で労働者が不足。中でも建設業界は、老朽化したインフラ設備の改善や、大阪万博などのビックイベントに向けた建設も重なり、労働者不足は深刻です。
2019年から「働き方改革関連法」が順次施行されていますが、建設業界は改革の見通しが悪く、5年間の猶予期間が設けられ、施行時期は2024年へ延長となりました。
改革による最も大きな変化は、労働時間の短縮でしょう。「時間外労働時間の上限規制」が建設業界にも適用されます。
改正により、法律に規定される「残業時間の上限は月45時間、年360時間」が導入されるのです。上限以上の残業は不可能でないものの、労働者と使用者双方の合意が必要となります。
加えて、2024年4月から「同一労働同一賃金」も対象。同一賃金同一労働とは、正社員や非正規雇用といった雇用形態にかかわらず、同一の職場で同一の仕事内容に従事する従業員に対し、同一の賃金を支払うという考え方です。
現時点では、明確なガイドラインが設定されていないので、賃金改正の際には注意すべきでしょう。
さらに、2023年からは「時間外労働の割増賃金率引き上げ」が適用されます。中小企業を対象に、2023年4月から、月60時間越えの労働への割増賃金率が25%から50%への引き上げとなるのです。
割増賃金の対象となるのは時間外労働のみで、休日労働、及び深夜労働の割増賃金率に変更はありません。
4.まとめ
アメリカの建設業界と日本の建設業界では、労働時間や待遇面の規定に大きな違いがあります。
日本の建設業界は今、働き方、労働環境の改善へ進んでおり、日本の建設業界の労働環境改善に、アメリカの建設業界の例有効に働くかもしれません。
勤CON管は、出面管理機能搭載勤怠クラウドサービス。全国1,000社以上の企業が導入しています。建設・工事業に特化した入力システムや、超過労働対策となるアラートも備えていますので、建設業界の労働環境の改善をお考えの担当者は、ぜひご検討ください。
メルマガ登録
建設業界の業務効率化や
働き方改革に関するノウハウや
建設業界に関する情報をお送りします