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大阪万博による建設業界への影響とは?
2025年に控えている大阪万博には、経済の面からも大きな期待ができます。建設業界は会場周辺の整備によって大きな利益が見込めるでしょう。
この記事では大阪万博の紹介や建設業との関わりについて解説します。
1.大阪万博とは
大阪万博とは、大阪府の夢洲で行われる万国博覧会です。万博とは、1928年に締結された国際博覧会条約に基づき開かれる、国際的な交流の深化を意図した国際博覧会のこと。万博には、国際規模で人やモノを動かし、呼び寄せ、発信する力があり、東京オリンピック・パラリンピック終了後における日本の成長のきっかけとしても期待されています。
開催国は、時代の最先端にある技術を提示し、また、展示や催し物などにより、開催国の事情を紹介。また、若いクリエイターが世界へ向け才能をアピールできる場ともなりますし、安全かつ先進的な交通インフラの整備により世界中からのアクセスが良好になることも、大阪万博の効果として見込まれています。
2.大阪万博の経済効果
大阪万博の経済波及効果は、万博協会や経産省の試算によって約2兆円と想定されています。日本経済に加え、関西圏の地域経済の活性化や、ビジネス機会拡大を元にした中小企業の発展により到達する見込みです。
2005年に行われた、愛・地球博の会場建設費は1,760億円、経済効果は(万博及び万博周辺の交通基盤整備に限る)1.6兆円と試算されています。このことからも、大阪万博で想定された2兆円の経済波及効果は十分に実現可能といえるでしょう。
また、想定入場者数も半年(2025年5月3日~11月3日)で2,800万人。これは東西の大型テーマパークの入場者数の合計値である年間約4,500万人を年換算で上回っており、消費需要の上昇も期待できます。
2025年へ向けて、需要に応じた設備投資やインフラ投資への期待も高まっている傾向。さらに、過去に日本で開かれた大阪万博(1970年)、沖縄国際海洋博覧会、国際科学技術博覧会(つくば万博)、愛・地球博において、万博前後15カ月の株価を見ると、約1.5倍以上に値上りしていました。
国際花と緑の博覧会では大きな下落を記録しましたが、これは開催前の1989年12月が異常な株高であったことや、その後のバブル崩壊が背景にあるため、あまり考慮しなくてもよいでしょう。
そのため、大阪万博は投資へも良好な影響をもたらす可能性が高いのです。
3.大阪万博による建設業界への影響
大阪万博には150ヵ国以上が参加予定で、会場には5つの広場が設けられます。155ヘクタールもの広大な敷地にパビリオンなどの建設が必要で、1,250億円があてられる予定です。
開発費の合計は、2,000億円ほどと想定されているため、建設業界にとっては大きなプラスとなる見込み。会場だけでなく、夢洲へ周辺の交通インフラの整備も必須です。そのため、道路の拡充工事や地下鉄の延長といった、大規模な交通工事の必要が生じるでしょう。
道路については、会場の夢洲と隣接する舞州をつなぐ世界初の浮体旋回稼働橋である夢舞大橋を建設し、舞州から出る此花大橋を4車線から6車線に拡張します。
鉄道については、完成まで残り数キロの段階で中断していたトンネル工事を再開し、大阪メトロ・地下鉄中央線を伸ばし、新たに駅をつくる予定。これらに加えて、上下水道や電気、ライフラインの整備も必要です。
さらに、半年間で2,800万人と想定される来場者のため、会場周辺の環境も充実させる必要があり、ホテルや旅館などの宿泊施設や、飲食店の増加も要求されるでしょう。
夢州は、過去にオリンピックの誘致に失敗したため、インフラ工事が半端な状態で中断していました。負の遺産と不名誉な称号を与えられていたものの、大阪万博の誘致成功を機に、建設業界の躍進の場に変化したといえるのです。
4.まとめ
大阪万博は、関西圏のみならず、日本の成長の起爆剤として期待されています。様々な裏付けによって約2兆円もの大きな経済波及効果が見込めるのです。また、敷地内には大規模な建築物の建設や、会場周辺のインフラ設備も必要になるため、建設業界にとって好影響。これらのことから、今後ますます需要拡大が望める建築業界から目が離せません。
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