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社労士が解説!令和7年4月からの育児・介護休業法改正と企業での必要な対応について

令和7年4月・10月に育児・介護休業法改正が施行されます。改正内容も多いため、今回は4月の改正にのみ焦点を当て、会社での必要な対応について解説いたします。
令和7年4月からの改正内容
(育児休業)
①子の看護休暇の見直し
→下記内容に対象・取得事由が拡大されます。
②所定外労働制限の対象拡大
→「3歳未満の子を養育する労働者」から「小学校就学前の子を養育する労働者」に拡大されます。
③短時間勤務制度の代替措置にテレワーク追加
④育児のためのテレワーク導入(努力義務)
⑤育児休業取得状況の公表義務適用拡大
→対象が従業員数「1000人超」から「300人超」に拡大されます。
(介護休業)
⑥介護休暇を取得できる労働者の要件緩和
→除外できる労働者の条件から「継続雇用期間6ヶ月未満」が撤廃されます。
⑦介護離職防止のための雇用環境整備
⑧介護離職防止のための個別の周知・意向確認等
⑨介護のためのテレワーク導入(努力義務)
企業で必要な対応について
(1) 就業規則・労使協定の変更
育児介護休業規定や労使協定を改訂する必要があります。
厚労省から規定例や協定例が公開されていますので、自社で変更される場合はこちらをご参照ください。
厚労省HP:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/000103533.html
(2) 介護離職防止のための雇用環境整備
下記内容のうちいずれかの措置を講じる必要があります。
これらの中で中小企業でも取り組みやすいものとしては②、④が挙げられると思います。
下記厚労省HPにある『(介護)申出しやすい雇用環境整備』の参考様式を利用し周知する方法もありますので、対応についてお悩みの場合はご参考ください。
厚労省HP:https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/ikukai_kensyu_2024.html
(3) 介護休業に関する個別の周知・意向確認、情報提供
・介護に直面した旨の申出をした労働者
・40歳に達する年度、もしくは、40歳の誕生日から1年以内の労働者
これらの労働者に対して、下記内容について個別の周知・利用の意向確認、情報提供を行う必要があります。(情報提供に関しては必ずしも個別に行う必要はありません)
こちらに関しても(2)の厚労省HPにある『④従業員が40歳になる頃に』、『⑤従業員から介護に直面していると申出があったとき』の参考様式を利用することができますので、ご参考ください。
以上が令和7年4月の育児・介護休業法改正になります。人材不足が叫ばれる中、育児介護離職を予防するための体制構築は企業にとって重要な課題と言えるでしょう。
また、今後も育児・介護休業法の改正により、人事総務の管理業務は増加することが予想されます。バックオフィス業務効率化の対応も必要になりますので、お悩みの場合は人事管理システムや勤怠管理システムの導入なども併せてご検討ください。