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社労士が解説!建設業でも活用すべき?変形労働時間制度とは
労働基準法における労働時間の原則は、1日8時間、週40時間となっており、これを超える時間には2割5分の割増賃金が必要となります。また、令和5年4月からは、中小企業においても、残業時間が60時間を超えた時間については、5割の割増賃金が必要となりました。
工期が決められている中で、残業も含めた対応に追われている建設業界においては、原則的な労働時間管理ではなく、変形労働時間制を活用することも検討の一つです。
①1か月単位の変形労働時間制
1か月以内の期間を平均して週40時間以内となるように、労働日、勤務時間の予定を設定する方法です。この範囲に収まっていれば、例えば1日10時間の日があっても、1週50時間の週があっても、所定内の労働として割増賃金は発生しません。つまり、特定の時期に集中して作業時間を割り当てることが可能になるということです。
②1年単位の変形労働時間制
前述の1ヵ月単位を1ヵ月超の期間(最大1年)として勤務予定を設定する方法です。繁忙期、閑散期が1ヵ月を超える期間で分かっているのであれば、こちらを採用することでより柔軟な勤務予定の作成が可能です。ただし、期間が長いため1か月単位よりも制約は多くなります。
工事のスケジュール等に合わせて変形労働時間制度を上手く活用することにより、同じ労働時間数であっても、割増賃金が必要となる時間を削減することができる可能性があります。
主な注意点としては、
・変形期間の前に勤務予定を作成しておく必要があること
・勤務予定の時間を超えて労働した場合の残業時間の計算が通常よりも煩雑であること
変形労働時間制を採用しているものの、上記のような点で正しく運用できておらず、労働基準監督署から是正勧告を受けるケースもよく見られます。手作業での対応にも限界があるため、変形労働時間制度を採用する場合には、対応した勤怠システムを活用することが、適切で効率的な制度運用の鍵となるでしょう。
労務管理者としては、もちろん制度の理解も重要です。導入に際しては社労士などの専門家に相談し、法令に準拠した、効率的・効果的な制度導入と運用を目指すのが良いと考えます。
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