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SDGsに取り組もう! ―建設業界と親和性の高い項目と事例―(1)

SDGsに取り組もう! ―建設業界と親和性の高い項目と事例―(1)
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新聞やテレビでもよく見かけるようになった「SDGs」。これは「誰一人取り残さない」という考え方に基づき、人種や性別、地域などを超えて地球上の皆が幸せになることを目指す国連の目標であり、17のテーマがあるのです。ここでは、建設業界と親和性の高い目標と、その目標の実現を掲げて取り組む事例をご紹介します。

1.SDGsとは?

SDGsは「Sustainable Development Goals」(持続可能な開発目標)の頭文字を取った略語で「エス・ディー・ジーズ」と呼びます。正式な名称は「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030年アジェンダ」で、2015年に採択されました。「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉を」など、17のテーマ別の目標があります。目標は、社会・経済・環境の3分野をはじめ、横断的に関わる枠組みがあり、建設業界にかかわる目標が多いのが特徴です。


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2.「6 安全な水とトイレを世界中に」を建設業界で実現する

目標6は、世界中のすべての人々が清潔な水とトイレを安心して使える環境をつくることです。女性が活躍できる工事現場を目指し、現場のトイレを男女別々にする、というのも目標6の実現に向けた取り組みとなります。

戸田建設では、事務所と工事現場で節水を徹底しています。建設工事では、地下水脈まで届く基礎工事をすることも多く、発生する大量の排水に対しても配慮しているのです。例えば、深井戸を工事用に改良した工法であるディープウェルを設置して地下水の排水を行い、周囲の河川や海への影響を最小化するとともに、排出するときは、法令基準以下になるように水質を浄化し、河川や海に戻しています。また、ミャンマーで給水ボランティアを実施。工事で使用した給水車を使い、約70の村々を協力会社と一緒に訪問し給水活動を行いました。

北海道網走市の株式会社「そうけん」は、網走の生態系保護と回復を目指し、指定外来種または北海道ブルーリスト2010に選定された外来種の駆除を定期的に実施し、網走の山地、河川、湖を守っています。また、豊かな農村環境を後世に引き継ぐために取り組んでいる「北ほたるの里づくり」の一環として、簡易トイレを設置、周辺の清掃活動に協力しています。

愛知県の株式会社渡邊工務店は、建材の一部を再利用することで産業廃棄物の発生を最小限に抑え、マニフェストに従って産業廃棄物を徹底的に管理しています。処理過程を履歴に残し、適切に分別されているかを細心の注意を払って確認した上で処理することで、地域づくりに貢献しているのです。

3.「7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに」を建設業界で実現する

ユニセフによると、クリーンな電力エネルギーがないために、石炭、糞、薪といった環境や身体に害を及ぼす燃料を使わざるを得ない人々が世界中に28億人以上いるとされています。また、有毒な燃料を室内で使うことによって年間400万人が死亡しているのです。クリーンなエネルギーを実現するために建設業界の取り組みが必要とされています。

清水建設は、ZEB(ゼブ:ゼロ・エネルギー・ビル)の普及こそが、持続可能な社会を実現するための切り札と考え、エネルギー消費量が年間で実質ゼロとなる建築物を作り続けています。2012年に完成した本社ビルは、輻射空調システムなどの省エネ技術と、太陽光発電などの創エネ技術を導入した都市型超環境オフィスビルで、大規模建造物として国内初のカーボン・ニュートラル設備に認定されました。2013年に完成した生長の家「森の中のオフィス」は、日本初のZEBとなったのです。

埼玉県蕨市の高砂建設は、埼玉県近郊の森林の木を使うことで木材の輸送コストを削減する「ウッドマイレージ」を意識した取り組みを行っています。断熱性と通気性を両立した、二重通気工法などを採用し、CO2削減の効果を高め、LCCM住宅、省エネ住宅の普及により、目標7の実現を目指しているのです。

大阪府大阪市の矢野建設は、全事務所と現場からのゴミの排出量を5%削減するために、社内のやり取りを極力電子メールで行い、紙のゴミを出さないようにしています。また、ISOの品質(ISO9001:2015)環境(ISO14001:2015)を複合取得しました。エコキャップ運動も展開し、ペットボトルのキャップの再資源化で得た売却益で、発展途上国の子どもたちにワクチンを贈る活動を推進しています。

4.「9 産業と技術革新の基盤をつくろう」を建設業界で実現する

目標9は、災害などに強いインフラを整え、持続可能な産業化の促進やイノベーションの推進を図るというものです。災害などに強いインフラ整備は、道路や橋などの生活基盤をつくり、日常の暮らしを支えるという建設業界の業務の目的そのもの。公共工事の施工のほか、水道工事、河川改修工事、下水道工事、道路工事などの様々なインフラを整備することが、SDGsの目標9実現のための手段となります。

積水ハウスグループは、年間およそ30万立法メートルもの木材を使用して家をつくる住宅メーカーであると同時に、全国で毎年100万本にも及ぶ樹木を植栽する日本最大規模の造園業者でもあります。植林を推し進めることで、地域の生態系保全に貢献するとともに、世界の生物多様性の保全につながる持続可能な木材の調達や森林保全に取り組むことで、産業の基盤を支えているのです。

北海道札幌市の株式会社三五工務店は、自社大工の育成制度を確立し、日本の伝統技術を後世に継承・育成しています。建材はメーカーの大量生産品に頼るだけではなく、家具職人や左官職人の手仕事を残し、生かした家づくりに取り組み、伝統技術の継承と持続可能な木造住宅の開発・普及を推進しているのが特徴です。

5.まとめ

建設業界はSDGsに非常に関係が深い業界です。仕事内容そのものがSDGsの17の目標達成に欠かせないものばかりとなっています。ここでは、建設業界に親和性のある目標と、目標達成に向けた事例をご紹介しました。ほかにも建設業に関わる目標は数多くあるため、次回の記事でご紹介します。SDGsに取り組むきっかけになれば幸いです。

 
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