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社労士が解説!時間外労働の上限規制とExcelでの勤怠管理リスクについて

社労士が解説!時間外労働の上限規制とExcelでの勤怠管理リスクについて
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2024年4月より建設業にも時間外労働の上限規制が適用されました。今回は今一度上限規制についての内容と法令上の罰則を振り返りつつ、多くの企業で利用されているExcelでの勤怠管理リスクについて解説します 



法令上の罰則 

6か⽉以下の懲役または30万円以下の罰 

 

上限規制に抵触しないよう勤怠管理を行うことはもちろんですが、多くの企業で行われているExcelでの勤怠管理では、上記の法令上の罰則以外にもリスクを抱える可能性があります。 

Excel管理でのリスク 

  1. 時間外労働時間の管理 

建設業においては工期スケジュールに対応しつつ、時間外労働時間の管理を行うことは労務管理者の方の負担が大きく、そういった中で特に年間上限や2~6ヶ月平均80時間をクリアしているかのチェックをExcel管理で対応することは困難です。 

勤怠システムであれば事前にアラートメールを設定するなど、チェック作業をある程度自動化することが可能です。 

 

  1. 未払い残業代 

法令上の罰則以外にも、Excelでの勤怠管理の企業リスクとして、手入力によるミスや関数の誤りなどにより、労働時間の集計が適切に行われず未払い残業代が発生しうるという点があります。 

賃金請求権は3年とされていますので、仮に基本給30万円・月20日勤務(月平均所定160時間)の方が月10時間の残業漏れがあった場合には、約84万円の未払い残業代が発生することになります。 

労働問題が発生した際には、多くのケースにおいて未払い残業代も併せて請求されます。経営に重大な影響を及ぼす金額になることもありますので、このようなリスクには注意すべきでしょう。 

 

  1. データの紛失や改ざんリスク 

Excelの場合は従業員等による改ざんが行われる可能性もあります。厚労省のガイドラインでは勤怠について「タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること」とされており、勤怠システムであれば変更履歴の確認、管理者のみ編集権限付与などを行うことで客観的な記録が可能といえます。 

また、労働基準法では出勤簿については5年間の保存が義務付けられていますが、Excel管理ではデータそのものを誤って削除してしまう等の紛失リスクも抱えることになります。 

 

勤怠管理は労務管理の根幹といえます。様々な現場での業務を抱える建設業において、勤怠システムを導入することによるバックオフィス業務の効率化は、残業時間削減・法令遵守によるリスク回避にもつながりますので、未導入の企業においては検討してみてはいかがでしょうか。 


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